エコキュートのしくみ
エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かす「ヒートポンプ」の技術を利用してお湯を沸かす、次世代の給湯システムです。
ヒートポンプとは、これまでのように火や電気を使って直接水を温めるのではなく、 太陽で温められた空気中の「熱」を熱交換器で冷媒に集め、 その冷媒を圧縮機で圧縮してさらに高温にし、高温になった冷媒の熱を水に伝えてお湯を沸かす仕組みです。
空気の熱を上手に活用するので、投入した電気エネルギーの3倍以上の熱エネルギーを得ることができます。
1〜4の作動を繰り返し、タンクにお湯を貯めます。
1.大気中の熱を自然冷媒に集めます。
2.熱を吸収した自然冷媒を圧縮して、さらに高温にします。
3.自然冷媒の熱を水と熱交換。ヒーターレスで最高約90℃のお湯を沸き上げます。
4.熱を奪われた自然冷媒は、再び熱を集めます。
電気温水器との違いは?
「電気温水器」は夜間にタンク内のヒーターへ自動的に通電して沸かしたお湯をタンクに貯めておき、それを日中利用するタイプの給湯器です。
それに対して「エコキュート」は、ヒーターで水を熱するのではなく、 自然冷媒であるCO2を利用したヒートポンプシステムによって大気中の熱を汲み上げ、給湯に必要な熱エネルギーとして利用します。
そのためエネルギー効率に優れ、省エネ性や環境保全性の高い給湯機といえるのです。 形態としては、基本的にヒートポンプユニットと貯湯ユニット(タンク)の二つからなります。
使い勝手は従来の電気温水器と違いはありませんし、フルオートタイプ、セミオートタイプも出ています。 小さなお子さんやお年寄りの入浴時でも安心な同時通話や音声ガイダンス機能など浴室リモコン、台所リモコンでの機能も各社工夫を凝らしています。 最近では、給湯や風呂自動お湯はり以外に、床暖房機能がついたものも出ています。
単体での機能だけでなく、住まい全体を考慮してお選びください。
いくらくらいかかるの?
「エコキュート」本体の価格帯は下表のようになります。(※メーカー希望小売価格での比較)
上記商品代金に加えて、設置の際にはさらに工事費がかかります。
従来の電気温水器と比べると導入時にかかる費用は割高ですが、高い給湯効率と割安な夜間電力を組み合わせることにより、 電気代は従来のヒーター式電気温水器と比較して約3割ほど(地域・電気料金契約により異なります)になるといいます。
私たち地球の未来のために
2001年に登場した「エコキュート」の出荷台数は年々増加しており、2022年3月末で国内累計出荷台数が800万台を突破しました! オール電化の世帯普及率も年々上昇しており、都道府県によって差がありますが約15%ほどになっております。(新築物件では約30%がオール電化を採用)
最高水準の省エネ性
従来、住宅設備の省エネ比較や評価は各メーカーや業界がそれぞれの基準に基づいて表示してきましたが、 省エネ法の改正に伴い、省エネ対策について総合的に判断するための新しい基準が設けられました。
新しい省エネ基準により、給湯器の省エネ性が一次エネルギー消費量で一律に評価され、 エコキュートの省エネ性が最も高いという結果になりました。
※グラフの数値は、住宅事業建築主判断基準において「IVb」(東京23区など)の地域区分における1年間の一次エネルギー消費量の値。
※一次エネルギーとは、基本的に自然界に存在するままの形でエネルギー源として利用されているもので、 石油・石炭・天然ガス等の化石燃料、ウラン、水力、太陽・地熱等の自然エネルギー等のことを指します。